プレイ時間
- プレイ時間: 50時間
スコア
- [ストーリー・シナリオ] : ★☆☆☆☆ 1
- [キャラクター] : ★★★☆☆ 3
- [世界観] : ★★★☆☆ 3
- [グラフィック] : ★★★★☆ 4
- [ゲーム性・ユーザビリティ] : ★★☆☆☆ 2
Good
迫力のムービーシーン
ゲーム全体のグラフィックとしてはPS5最高峰というわけではありません。キャラクターも表情に乏しいですし、背景も美麗というわけではないです。
全体的に暗い場面が多く、私の環境では明るさを最大に調整しても目を凝らさなければ見えない場面がいくつもありました。
しかし、このゲーム最大の褒められる点が、迫力あるムービーです。
カットシーンの多い本作ですが、召喚獣やマザークリスタルのサイズ感がハッキリと伝わる映画のようなカメラワークで、随所の見せ場をこれでもかと盛り上げる演出はさすがの一言です。
デビルメイクライのFFコラボ
どこかで見たことのあるバトルだなと思ったら、本作のバトル部分はデビルメイクライの制作を指揮していた方が担当していました。
バトルに関する感想は後述しますが、本作はRPGではなくアクションゲームであり、それもデビルメイクライの1作品であると思えば、前向きに受け入れられると思います。
Bad
ダークファンタジーで突き進み切れなかった
この作品のストーリーは賛否両論あるようですが、私は否でした。
前半は確かにダークファンタジーです。
各地が黒に浸食されていくなか、土地や資源をめぐって人や国が争いあう泥臭い人間ドラマが展開されます。
そこに、魔法が使えるがゆえに差別され、奴隷の扱いを受けるベアラーという存在や、圧倒的な破壊力をもつ人間兵器であるドミナントが争いの駆け引きに使われ、力を使えば使うほど体が石化していくという絶望的な状況と世界観を描き、非常に魅力のある展開でした。
「召喚獣を顕現できる限られた人たちが切り札となって戦う」というのがFFの素材をうまく使ったとても良いアイデアだと感じました。
確かに進撃の巨人っぽいという声はありますが、あの作品自体が面白いですし、それに似た作品になってしまったとしても、それはそれで面白そうだと期待していました。
序盤は伏線も多く、一気にストーリーを進めたくなる魅力はありました。
しかしそれは前半だけです。問題は後半です。
前半のサブクエストでは、これでもかと言うほど吐き気のするベアラー差別を見せてきたり、メインストーリーの随所で、敵キャラクター達の引いてしまうほどの狂気的な一面を見せつけて、ダークファンタジーらしさを盛り上げてくるわけですが、後半はいつの間にかダークファンタジー要素が無くなってしまい「兄弟愛と仲間たちとの絆で絶対悪に立ち向かう人間賛歌の王道ファンタジー」になってしまうのです。
しかもそのシナリオも私が小学生のころにプレイしていたスーファミ時代の古典的、教科書的と言えるレベルのシナリオなのです。
シナリオの薄さをごまかすためなのか、敵とクライブが対峙する場面で何度も同じ会話が繰り返されるグダグダな展開も、話が全然進まないように感じられてかなりのストレスでした。
「小学生の頃の懐かしさがこみ上げてくるお約束のシナリオ」とか「ホラーを見ていたのにいつの間にかパロディになっているサプライズ映画」のようにポジティブに見られれば良かったのですが、無名のメーカーが作った作品ならともかく、FFですからね。
数々のゲームをプレイしてきた大人の鑑賞に堪えうるストーリーでは無いという評価です。
ご都合主義の数々
本当はもっと細かい設定があったんだろうと思います。大人の事情で語るべき部分がかなり削られたんだろうなというのは察するところではありますが、それにしてもご都合主義が目につきます。
差別と奴隷という重いテーマはこの作品の重要な要素の一つですが、ベアラーが差別されるに至った背景や、今でも差別されている理由についての、それなりに合理的な説明が薄すぎて説得力が無いのです。
国を亡ぼすほどの力を持ったドミナントが雑な扱いを受けている理由もまったくわかりません。
また、主人公クライブが目指す「人が人として生きられる世界」は人間の尊厳の問題ですが、「クリスタルを破壊する」という行為は環境問題であるはずです。
これら2つの問題が意図的なのか分かりませんが、混ざって話が進むところが腑に落ちず、「魔法に依存しない世界がベアラー差別を無くす」という理屈であったとしても、社会インフラであるクリスタルを代替手段の提案も無く破壊する行為は、逆にベアラー争奪戦が過熱することは間違いないでしょうし、クリスタルを破壊する決意に至った根拠も薄く、ただの過激な環境活動家にしか見えず、紛れもないテロ行為なわけですが、「大罪人」というなんとなくかっこよさげな呼び方をして、主人公たちをダークヒーロー的に表現しているのも納得がいかない部分でした。
他にも「そんな設定あったっけ?」と思えるものや「なんでこの人はこういう行動を取るの?」と思えるご都合主義が随所に見られます。
私は疑問に感じた点について、公式の見解はどうなっているのかを随時AIに尋ねながらプレイしていましたが、AIもお手上げ状態でした。
バランス調整不足のバトルシステム
バトル部分に関しては概ね評価が高い本作ですが、私はバトルも楽しいとは感じられませんでした。
まず、回避やパリィが必須とされるゲームバランスです。
遠距離の魔法攻撃は驚くほど微弱な攻撃なので、メインは近接攻撃になります。
敵の攻撃が激しいため、近接攻撃を当て続けるには回避やパリィが求められますが、人間サイズの敵はモーションが小さく、回避やパリィのタイミングが非常にわかりづらいのです。
また、敵の攻撃や自身のアビリティの視覚効果が派手すぎて、敵の行動が隠れて見えないことが多々あります。これによって回避やパリィが更に困難になります。
個人的には回避やパリィはそれが出来れば楽になるという加点であるべきだと思っていて、それが出来なくても倒せるようなバランスであるべきだったと思います。
最初からオート回避できるアイテムを装備することが出来るという救済措置が用意されているのですが、それが用意されていること自体が、開発陣自身がバランス調整不足を認めてしまっているように思います。
そもそも、回避やパリィをうまく発動するためには、敵の行動を覚える必要があり、これには通常、何度も敵の攻撃を食らって死んでを繰り返して覚える必要があります。
私にはそこまでの根気は無かったので、初期のモルボル戦からストーリーフォーカスモードに変え、オート回避のアイテムも装備しました。
中ボスクラスでも非常に硬く、回避やパリィが求められるので、オート回避が無ければ私の腕では1.5倍から2倍ぐらいのクリア時間が必要だったのではないかと思います。
そしてオート回避を装備するとバトルはクソゲー化します。
□を連打するだけで終わるのです。ボスもノーダメージで倒せてしまいます。
本当に極端すぎてバランスが悪いと感じてしまいました。
RPG要素がほとんどない
武器種が剣しかない。武器は攻撃力、防具は防御力が違うのみで、セット効果や特殊効果が無い。属性による有利不利の要素が無い。ストーリーを進めれば自然とレベルが上がり、レベルが上がっても強くなった実感が無い。アビリティ振り分けの自由度による型のようなものが無く、どれに振っても戦い方は変わらない。
もっと挙げた方がいいでしょうか?
要するに成長要素やカスタマイズ要素がほとんど無く、本当にアクションゲームなのです。
アクション要素強めの作品に挑戦するのは悪くないと思いますが、いくら召喚獣やクリスタル、魔法といったFF要素を使ったとしても、FFがRPG要素を捨ててしまえば、それはFFではない別のゲームだと思います。
総評
世の中では凡ゲーとか、ギリギリ合格点とか言われているようですが、私は不合格だと思います。
無名のゲームメーカーが作った作品なら合格点でしょうが、それでも話題にはならない完成度でしょう。
FFのナンバリングタイトルだったからこそ、このレベルのクオリティでもある程度売れたのだと思いますし、だからこそ厳しい評価にならざるを得ないと思っています。
純粋に高評価なのは、迫力あるアート作品としてのムービーシーンだけです。
アクションを評価するのであれば、本家(?)デビルメイクライをプレイしたほうが純粋に楽しめると思います。
FFという質の高い素材を活かしたダークファンタジーという新たな境地が見たかっただけに、本当にもったいないと感じてしまいます。
おすすめできる作品ではないですが、あえて遊ぶ理由があるとすれば、私がこれだけ酷評している理由を自分の目で確かめてみてはいかがでしょう?という以外にありません。
あなたはいくつのご都合主義を見つけることができるでしょうか?
