シナリオやグラフィック、音楽等はいずれも最高峰。
ゲームではなく、マルチエンディングのドラマや映画としてプレイすべし。
プレイ時間
28時間
スコア
- [ストーリー・シナリオ] : ★★★★★ 5
- [キャラクター] : ★★★★☆ 4
- [世界観] : ★★★★★ 5
- [グラフィック] : ★★★★★ 5
- [ゲーム性・ユーザビリティ] : ★☆☆☆☆ 1
[ストーリー・シナリオ]
過去に様々なSF作品を見てきた私でも良かったと思えるシナリオでした。
物語は3人のそれぞれ立場の異なるアンドロイドの視点で展開し、それらを交互に進めていきます。後半ではそれぞれのストーリーが絡み合った展開となって一気に盛り上がります。
この作品の大きな特徴は、複雑で多岐にわたるマルチシナリオ、マルチエンディングです。
分岐が非常に精密に作られていて、選択と結果の因果関係は完璧な整合性が保たれています。その分、攻略サイトを見なければすべての分岐を体験することは現実的に無理だと思いますし、実際にそれをやろうとすると膨大な時間がかかると思います。
私は最初、1周終えないとCHAPTERからの途中プレイが出来ないものと思い込んでいたのですが、実は1週目からCHAPTERによるやり直しが出来ました。
これをうまく使えば、取り返しのつかない選択をしてしまった場合でも、その章を終えた直後にやり直して納得のいく選択で進めることが出来ます。私のような周回嫌いでも、CHAPTERを駆使することで1周+αのボリュームで「全員生存シナリオ」を迎えることができました。
[キャラクター]
家族愛と弱者というミクロ視点がテーマのカーラ、社会的で英雄像のマクロ視点がテーマのマーカス、友情や自己のアイデンティティがテーマのコナーという立場の違うキャラクターで物語を表現しています。
いずれのアンドロイドも私が個人的に思うアンドロイド像よりも少々人間味がありすぎるかなと思うところはありますが、役割分担がハッキリしていて分かりやすく、それぞれ感情移入しやすかったです。
私は父親目線なのでカーラシナリオはエグられました。
終始辛いことばかりなのですが、是非彼女たちを幸せな結末に導いてあげてください。
[世界観・グラフィック]
グラフィックは間違いなくPS4最高峰です。実在する俳優さんが演じているため、街並みや風景はもちろん、表情までとてもリアルです。
シナリオ重視のためカメラを自由に動かせない不自由さはありますが、ビルの壁を登るシーンやデモ行進を俯瞰で捉える引きのカメラワーク、それを盛り上げる音楽など、シネマティックな演出は素晴らしいです。
世界観についても、お役目を終えた機械を供養してしまうような日本人の感覚からすると、アンドロイドへの酷い扱いに違和感があるかもしれません。しかし、福祉も民営化され、貧富の差や治安の悪化が放置されているアメリカの現状を見ると、こんな世界も現実的に起こりえるのかなと妙に納得できる仕上がりになっています。
[ゲーム性・ユーザビリティ]
QTE(クイックタイムイベント)と呼ばれる、指示されたボタンをタイミング良く押すだけの操作はただただ面倒でストレスでした。
格闘シーンならまだ良いのですが、普通の動作で異常に細かく、統一性のない入力を求められるのはかなりの苦痛でした。
また、特にカーラシナリオはバッドエンドのフラグが多く、選択がかなりシビアです。
一歩間違えると序盤からシナリオが終わってしまう難易度設定は、少々不親切だと感じました。
さらに、周回が前提の作りであるにも関わらず、既読スキップや早送りが無いため、同じシーンを何度も等倍で見せられるのは時間の無駄だと感じてしまいます。
[総評]
周回前提のシステム自体は私には合いませんでしたが、シナリオ、キャラクター、グラフィック、音楽のどれをとっても素晴らしい作品です。
こむずかしいのが好きな私にとって、複雑な分岐がロジカルに整えられているというのはかなりの高評価です。
1周終えた後に見られるようになるBONUSの映像は是非見てください。このゲームがものすごい熱量によって作られているということが分かると思います。
シナリオ重視のゲームを探している人には、迷いなくお勧めできる作品です。

