繊細なキャラクター描写によるハリウッド映画並みの感動ストーリー。
ストーリー重視派にはプレイをお勧めしたい良作。
スコア
- [ストーリー・シナリオ] : ★★★★☆ 4
- [キャラクター] : ★★★★★ 5
- [世界観] : ★★★★☆ 4
- [グラフィック] : ★★★★☆ 4
- [ゲーム性・ユーザビリティ] : ★★★★☆ 4
[ストーリー・シナリオ]
ストーリーに定評がある今作ですが、こむずかしいサスペンス要素はあまり無く、ハリウッド映画のような感動作だと思います。
心を閉ざした少女エリーと、同じく心を閉ざしたおっさんジョエル。二人が様々な困難を乗り越え、徐々に信頼しあい、疑似親子を形成していく描写は、2時間の映画作品とは違います。クリアまでに数十時間かかる「ゲーム」という体験だからこそ、プレイヤーにより深い共感が生まれるのだと思います。
最後に二人が導き出した結末は賛否両論あるようですが、父親目線の私としては、非常に共感できる良い終わり方だったと感じました。
[キャラクター]
リアリティのある思春期少女と世捨て人のおっさんがメインで、登場人物が非常に少なく、物語が混乱しなくて良いですね。
同じ父親目線でジョエルの気持ちに理解はしつつも、「そこまで突き放さなくてもいいんじゃないか」と思う場面もありましたが、このジョエルの気難しい性格こそが、最終的に物語に大きな感動を与える一つの要因であることは間違いありません。
エリーも年相応の等身大の女の子として表現されていて、おそらくプレイヤーの誰もが彼女を守ってやりたくなるような「みんなの娘」として描かれています。この作品の人間ドラマとしての質の高さは、このキャラクター造形の良さに集約されていると言っても過言ではありません。
[世界観]
いわゆるゾンビ物のポストアポカリプスです。
冷静に考えれば、どんなに感染力の強いウイルスだとしても、人類が柵の中で細々と生活しなきゃならないなんてことは起こりえない訳ですが、そうは言ってもサバイバル世界というのは男の子が一度は本気で妄想するシチュエーション。純粋にワクワクさせられました。
[グラフィック]
私はPS4のリマスター版をプレイしましたが、当時の基準でも最高峰のグラフィックだと思います。
ゾンビから逃げ隠れているうちは周りの風景なんて見ていられないですが、プレイに余裕が出てきたら、ぜひ荒廃した街並みも見回ってみてください。かなりリアルに作り込まれています。
その分、ゾンビのクオリティも相応に高くなっています。スプラッター要素も含めて、苦手な方はそれなりの覚悟が必要です。
[ゲーム性・ユーザビリティ]
ゾンビから隠れ、逃げ、隙を突く。暗殺がメインのいわゆるステルス・アクションなので、ここは好き嫌いが分かれるポイントでしょう。
私はどちらかと言えば、重火器をぶっ放してゾンビ無双したいタイプなので、ステルス操作にはストレスを感じてしまう方ですが、それでも「シナリオの力」でねじ伏せられてしまいました。
難易度が細かく選べるので、ステルスが苦手な人は一番簡単なモードで進めて、物語を体験することに集中するのをお勧めします。とは言え、簡単モードでも操作に慣れないうちは、すぐにムシャムシャ食べられてしまうと思います。
戦闘はスキップできない仕様なので、どうしても厳しい場合は攻略サイトを頼ってでも乗り越える価値があります。ここで投げ出してしまうのは、あまりにももったいないです。
ただ、ステルス・アクションとしての完成度自体は非常に高いです。道中で武器や能力を強化していくことで、徐々に戦闘が楽になっていく実感を得られるバランスは、実に見事でした。
[総評]
「感動できるストーリー」を求めている人に、自信を持っておすすめしたい作品です。
父親はもちろん、母親であっても深く刺さる物語だと思います。ハリウッドの大作映画を自ら操作して鑑賞するような、濃密な体験ができるはずです。
現在はPS5版のリメイクも出ており、グラフィックのさらなる向上や細かな調整が入っているようなので、今から遊ぶならそちらの方がより遊びやすいかもしれません。
ただ、次回作の『Part 2』に関しては、手放しにはおすすめできません。
おすすめしないどころか、「Part 1を愛した人ほどやめておけ!」と強く進言したいほどです。
別の機会にレビューを書くかもしれませんが、十中八九、批判的な内容になりそうなので、書くべきかどうか非常に悩ましい所です。

